2023年8月19日にイギリスに入国してから早いもので…どころか何と2025年の初夏です。もはや帰国直前です。実は2024年8月8日にロンドン内で引っ越ししました。怠惰な性格ゆえに下書きを放置したままYMS終盤戦に突入していますが、今回は2023年8月の家探しについてのレポを紹介します。
ロンドンの家賃や公共料金の高騰、対ポンドの円安なども重なって目まぐるしく状況が変化しているため、少し前(特にコロナ前)の情報が参考にならないことも多々…。今回の情報も決して新鮮とはいえませんが、まだ許容範囲かなと(思いたいだけです)。
オーストラリアでの家探し経験があるものの、旅行含め初めてのイギリスということで苦労しました。この先の内容はオーストラリアでの家探し経験が前提にあるので、先にオーストラリアの家探し記事4本を読んでからロンドン家探しについて読んでいただければと思います。
ロンドンの家探し

ロンドンの公共交通機関の料金は1~9のZone制になっています。ビッグベンやバッキンガム宮殿など、世間一般の「ロンドン」はZone1に集中していて、Zone2、3…と郊外に入ります。ちなみにイギリス最大の空港・ヒースロー空港はZone6(上図だと左やや下)で、図の中心やや下を横断している水色の帯がテムズ川です。
Zoneは交通費だけでなく家賃とも、ある程度の相関関係があります。Zoneの数字が小さいほど都心に近くなるので家賃が高い傾向にありますが、部屋の広さや古さ、設備などもあるため一概にはいえません。
さらにいえばイギリスで働く場合、日本と違って一般的に交通費は支給されません。そのため「都心に近く家賃の高い家」か「都心から遠く家賃の安い家」の二択になることもしばしば。もちろん稀に「都心に近く家賃の安い家」も存在します。ただし部屋が狭いなど何かしらの不便を強いられる可能性もあります(もちろんただの超優良物件の可能性もゼロではありません…が、超優良物件は一瞬で入居者が決まるので、超優良物件に住むには常にアンテナを張る必要があります)。
主にSpareRoom、GumtreeとMixBも活用
豪ワーホリ時に使っていたfacebookグループは今回使わず、3つのサイトで家探ししました。全サイトを使って出稿者に連絡を取り、いずれも1件以上内見(オーストラリアではinspectionでしたが、イギリスではviewing)に行きました。最終的に入居した物件を見つけたのはSpareRoomです。
- SpareRoom:一番メジャーなサイト。オーストラリアでいうFlatmates.com
- MixB:日豪プレスやGo!豪!! アデレードのような、日本人向けの物件・求人などの情報が載ったサイト。唯一日本語でやり取り可能
- Gumtree:オーストラリアでもおなじみ。フリマアプリ的な使い方がメインで、家探しはおまけ程度
所要期間:6日(渡英から11日)、ビューイング:15件

オーストラリア時代に一番多くの家を見たブリスベンでは5日で15件でした(14件目に入居)。今回もビューイングのアポを取ったのは15件でしたが、入国から11日と倍以上の時間を要しました。とはいえ、ビューイングの実稼働は6日間でした(朝に入国して昼間に1件見たオーストラリアと違って、今回は夕方の入国。3~5日目はエディンバラ旅行で、2日目もコンタクトを取るのみ。実質的なビューイング初日は入国6日目)。
今回も条件をまとめると、こんな感じです。
- 絶対に譲れない:他の条件がどんなによくても、該当しない物件は除外
・Zone1~2:£750/pcm以下、Zone3~4:£700/pcm以下
(光熱費・インターネット代・カウンシルタックス込)
・家具付き(furnished)
・大きめスーツケースを2個収納でき、作業用の机と椅子を置ける広さの部屋
・キッチン・トイレ・バスルームの清潔さ - あれば優先したい:必須ではないが、満たしていれば優先
・日本人がいない
・テムズ川の北側
・できればZone1~2
これが条件設定として適切かは難しいところですが、オーストラリアに比べて家探しの難易度がぐっと上がったので、細かく条件をつける場合ではありませんでした。「家探しの難易度がぐっと上がった」については後述します。

以下の感想は、当時のメモや日記を参考に書き起こしています。また、Spareroomなどの広告URLを保管しているため、可能な限りそちらも参照しています。
Aug 24:1件

最初のビューイングはエディンバラから戻った翌日。
01:£695/pcm、deposit:£695 @Stamford Brook(W4)
最寄駅はDistrict LineのZone 2です。どきどきしながらロンドン初のビューイングに向かうと、まさかの最初からグループビューイング。オーストラリアでの経験がなければ完全に面食らっていたでしょう…。ちなみに内見希望者は私のほかに男女一人ずつで、二人とも明らかに私より年上に見えました。
その家は三階建ての一軒家で、ベッドルームは三階にありました。イギリスの物件を見るのは月末まで滞在予定のAirbnbを除いて初めてのため、探り探りの状態でした。しかし、ベッドルームに足を踏み入れてすぐ、この家に入居することはないと確信します。原因は水臭さです。
この部屋のベッドルームには、電話ボックスほどの小さなシャワールームがついています。臭いの原因がそこにあるのは明らかでした。一緒に参加していた男性は気に入ったのかエージェントのスタッフに質問を繰り返していたので、私ともう一人の女性はスタッフに挨拶して足早に去りました。
Aug 25:1件

この日もなかなかビューイングの予定が決まらず、一件だけでした。
02:£725/pcm、deposit:£590 @White City(W12)
最寄駅はCentral LineのZone 2です。Spareroom経由でビューイングの予定を入れたものの、間もなくしてこの部屋の広告が非公開になってしまいました。Spareroom内のメッセージで問い合わせたところ、内見希望が殺到しすぎたので非公開にしたとのこと。すぐにメッセージを送れば私のようにビューイングの予定を取り付けられるわけで、タイミングが大事なのだと実感しました。
今回は集合住宅、日本でいうところの団地のようなところの一室でした。またしてもグループビューイングで、今度は私と台湾人女性の二人。家全体は前日に見に行った部屋より遥かによかったものの、肝心のベッドルームがかなり狭く、この部屋も候補から外すことに。
Aug 26:1件

この日ビューイングに行った物件は予算外ですが、「お金を出せばこれだけの対価を得られる」を確認するために行きました。
03:£200/pw、deposit:£800 @Stamford Brook(W12)
最寄駅は初日の物件と一緒です。今回見に行った14件のうち唯一MixBから応募した家でした。大家は西洋系の人でしたが、わざわざMixBに広告を載せていることからも明らかなとおり日本人を探しているようで、その家に住むのは全員同年代の日本人女性とのことでした。
今回のビューイングでは初めての大家同居の家でしたが、大家が下層階、私たち日本人テナントが上層階に住む別居型。キッチンが非常に狭かったものの、日本人ばかりということで共用エリアはかなり清潔に保たれていました。
ベッドルームも広告の写真通りで想像以上に広く、かなり気に入りました。しかし家賃が£200/週と高く、日本人が家にいない環境を理想とする私にとっては好条件とは言えませんでした。また、広告上のエリアはShepherd’s Bushでしたが最寄駅は別で、その駅からも徒歩20分近くかかるとあってこの家も候補から外しました。
Aug 27:3件

この日は3件の物件を観に行きました。「>」のような動線で、かなり非効率的で交通費もかかったと反省しています。
04:£750/pcm、deposit:£100 @East Acton(W3)
最寄駅はCentral LineのZone 2です。7人で住む大きめの一軒家で、バスルームは二つあり、私ともう1人でシェアする予定でした(3人は私室にバスルーム付き)。リビングやキッチンも綺麗で、ベッドルームは少し手狭に感じるものの及第点ということもあり、私は契約を希望しました。
しかし、この時点で渡英10日に満たず、先に家を決めたかったため仕事をしていません。つまりYMSビザがあれど私は「住所不定無職の外国人」。エージェントとの契約だったこともあり、契約に至るまでにかなり難航しました。一応貯金はあったので、「最低入居期間(この家の場合は6か月)の家賃を前払いする」との提案を飲んでもらって契約に進みます。
しかし、これによって私が前払いするのは最低入居期間の家賃(£750×6=£4,500)+デポジット(£100)=£4,600。この日時点のレート(約184.26円/£)換算で約85万円です。払えるか否かでいえば払える額でしたが、渡英10日足らずで約85万円をごっそり失う覚悟はなく…。結局契約を取りやめてしまいました。
05:£630/pcm、deposit:£300 @South Woodford(E18)
最寄駅はCentral LineのZone 4です。上記物件と同じCentral Line沿いなので電車で行けばよかったものの、何を血迷ったのか私はバス移動を選びました。その結果バスを間違えて別の場所に着いてしまいます。本当はZone 3までに抑えたかったのですがZone 4も見てみようとチェックした物件なので、キャンセルが頭をよぎりました。しかし、せっかく大家も予定を空けてくれているので、謝罪の一報を入れて一時間ビューイングを後ろ倒しにしてもらいました。
正直めちゃくちゃ綺麗というわけではないけど海外生活における個人的な許容ラインは超えていました。あとSpareroomで連絡を取っていたのは大家ではなくその娘で、大家(母)は別にいることが発覚。家賃という一度契約したら引っ越すまで削れない固定費を抑えるためにも、郊外で家賃の安い家に住むのはありだと思い始めたのでした。
06:£700/pcm、deposit:£500 @Paddington(W2)
最寄駅は言わずもがなZone 1、ロンドンのターミナル駅の一つです。駅から歩いて10分ほどの集合住宅一階の家でした。広告の文章が短く詳細はビューイングにてとのことで、詳しい条件をほとんど知らないままこの家に行ったのですが、大家は中年男性で二人暮らしになるとのこと。Zone 1で家賃£700だろうと、男性と二人暮らしの時点で即却下案件でした。
とはいえ来ちゃったので話を聞くだけ聞こうとしたところ、ボーイフレンドはいるのかとか、イギリスにいないなら日本にいるのかとか、セクハラ臭の漂う質問をされてかなり不快に。かなり決断を急かされましたがこの後もビューイングの予定があると嘘をついて退散しました。
Aug 28:6件

この日はバンクホリデーのため、月曜ながら多くのビューイングを取り付けられました(渡英直後の私は祝日だなんて知りませんでした)。しかし、実際に内見に漕ぎつけたのは半分の3件です。
07:£700/pcm、deposit:£700 @Mitcham Eastfields(CR4)
最寄駅はSouthern RailwayのZone 3です。このビューイングで私は初めてテムズ川の南側に行きました!大家との待ち合わせは家ではなく、駅の近くのLidl。そこで大家と落ち合い、少し離れたところにある自宅まで車で向かうことに。
その家には犬猫がいたのですが、リビングにはペットの毛が散乱。「Clean, small, single room」との触れ込みでしたがcleanとは程遠く、即決でなしになりました。
08:£-/pcm、deposit:£- @Limehouse(E1)
最寄駅はDLRのZone 2です。Gumtree経由で応募した家でした。集合住宅で、エントランスでインターホンを押しても反応なし。Gumtreeからテキストを送っても反応がなかったので、「何分までに返事がなかったらキャンセルするから!」と送ってそのままキャンセルになりました。
09:£750/pcm、deposit:£500 @Lewisham(SE13)
最寄駅はDLRのZone 2/3です。この日の朝に決まったビューイングで、再び川の南にきました。駅からは徒歩4分と、全14件で一番の駅近物件です。7歳くらいの女の子とその母の二人暮らしで、今は女の子が一人で使っている部屋に住まわせてもらえるとのことでした。この部屋も最初に見に行った部屋同様にシャワー室がついていましたが、水臭さは感じませんでした。
家も綺麗で悪くはなかったのですが、Zone 2とZone 3の境界で家賃£750と思うと尻込みしてしまいました。まだこの日のビューイングが残っていたのは事実なので、その旨を告げて撤退しました。
10:£700/pcm、deposit:£700 @Queens Road Peckham(SE15)
最寄駅はこの日の1件目に続いてSouthern RailwayのZone 2です。ここもこの日の2件目と同様の理由でキャンセルになりました。交通費を返してほしいです。
11:£160/pw、deposit:£- @Leyton(E11)
最寄駅はCentral LineのZone 3です。Gumtree経由で応募した家でした。駅から家までの道中で治安のよさそうなエリアだな~と期待が膨らんでいましたが、ここもキャンセルになりました。家に着いてインターホンを押したところ、「さっき入居者が決まった」とのこと。それなら連絡くれと思いながら撤収しました。
12:£550/pcm、deposit:£275 @Walthamstow Central(E17)
最寄駅はVictoria LineのZone 3です。今回見に行った14件では家賃が群を抜いて安かったです。女性3人とのシェアになる予定で、ベッドルームは建物の最上階でした。
ベッドルームは及第点でしたが、問題は共用エリア。バス・トイレが一緒なのはともかく、シャワーが便器の真横についていて、シャワー後の床は水浸し確実。あと、キッチンから形容しがたい臭いがしました。以前ビューイングに行った家のような水臭さとも違う、ちょっとつんとした匂いでした。
いくら家賃が安くてベッドルームがよくても、共用エリアがあまりに残念…ということで候補から脱落。
Aug 29:1件

実は前日時点ですでに内見したうちの一件に入居希望の連絡を入れていたのですが、その連絡を保留してもらってこの日のビューイングを追加しました。
13:£150/pw、deposit:£650 @Acton Town(W3)
最寄駅はDistrict Line/Piccadilly LineのZone 3です。この家の広告にはかなり前から連絡を入れていて、一度具体的なビューイングの予定も決めていました。しかし、途中で音信不通に。なのですっかり他の誰かに決まったものと思い込んでいたところ、「明日来れる?」と連絡が来たのです。
広告に掲載されていた写真と実際の写真に差分はなく、すぐにここに住みたい旨を告げました。しかし、まだビューイングの予定があり、全員が終わってから決めると告げられて終了しました。私のビューイングは18時過ぎでしたが、このあとまだ8人とビューイングの予定があるとのことです。
正直なところ、数十件のビューイングをこなしてその大半が入居希望を出すであろう状態で、「住所不定無職の外国人」の私が選ばれる可能性はほぼゼロ。ということで、入居希望を保留していた物件のオーナーに改めて入居希望を伝えました。ただし、この日のうちに返事は来ませんでした。
Aug 30:1件

最終日は1件だけ見に行きました。8月中に家探しが終わらない可能性も懸念していたため、サブレット(短期貸し)の物件も併行して探していたので、朝一でその物件も見に行きました。MixBで探したため相手も日本人、他の住人も日本人でした。一時的な滞在なので日本人ハウスでも問題ありません。
14:£600/pcm、deposit:£600 @Elephant and Castle(SE17)
最寄駅はBakerloo Line/Northern LineのZone 1/2です。今思えばZone 1とはいえ最寄駅から徒歩20分近くかかったので、ほぼZone 2だと思います。家も全体的に暗かったうえに大家の人柄が気に入らず、私は入居しないことにしました。
最終的に5件目の物件に入居を決意
14件目のビューイングが終わってセントラルに戻ると、前日に入居希望の旨を伝えていた大家から返信がありました。結論からいうと、無事に入居できました!ということで、ロンドンで最初の家探し終了です。
家探しサイトの写真と実際の家には少なからずギャップがありますが、この家のオーナーはマレーシア人男性と日本人女性のカップル。日本人女性がオーナーなら汚くても許容範囲内だろうと判断しました。
入居した感想

9月から入居しました。Zone 4でどこに出るにも交通費がかかるのがデメリットですが、治安はとてもよかったです。よく「西に比べて東は治安に懸念がある」と言われていますが、私がSouth Woodfordに住むことにした最後の決め手は治安でした。ロンドン育ちイギリス人の知人曰く「将来子育てする場合に家を買う場所の候補として、South Woodfordで物件を探したことはある(敷地面積に対して家賃が高い)」とのことです。
スーパーは駅前通りにM&SとSainsbury’sがあり、駅前通りを抜けた先にWaitroseがありました。この駅前通りにはスタバやKFC、Bootsなどもあり、意外と生活しやすかったです(この駅前通りと線路を挟んで反対側にはcoopがあります)。ちなみにこのSainsbury’sはSmartShop対応で、BootsにもRecycle Schemeの回収ポイントがあります。
シェアメイトの子たちもみんないい人たちでした。大家母娘は南米出身で、私と別にその家に住んでいる女の子はイギリス人。みんな社会人です。洗濯機の回数制限はなく、夜遅い時間帯にシャワーを浴びたり洗濯機を回したりしても何か言われたことはありません。
デメリットを挙げるとすれば、セントラルヒーティングが22時ごろに切られることです。一番冷える時間帯に暖房がきかないので、朝はキッチンの戸棚に入れているヌテラがカチコチに…。温めたナイフでトーストに塗ろうとしても、ヌテラがトーストにめり込むだけでした。
私の部屋は家の最上階、バス・トイレ(別)のすぐそばにあったので、割と生活音は聞こえたと思います。あと窓を開けると見えるのが片道5車線の幹線道路で、夜も交通量が減りません。なので人を選ぶ部屋だったかもしれないです(私は夏場窓を開けっぱなしで熟睡できました)。
2024年8月には引っ越しました
Zone 4ゆえに交通費がかかる、ゆえにセントラルに出るのが億劫になる。これと冬の寒さ以外は割と気に入っていたので、冬を前に引っ越すつもりでいたものの、予想外のトラブルで8月に引っ越しせざるを得ませんでした。これについては次回の家探しブログで紹介したいと思います(今の家を出てからじゃないと書けないので、いつ公開になるのやら)。
それでは!